カテゴリ:安全保障( 34 )

スイス民間防衛に学ぶ、何を守るのか
 スイス憲法第6編、第1章 改正の冒頭に、
 第192条
1 連邦憲法は、何時でも、その全部または一部を改正することができる。
とあります。
 憲法に限らず「制度」にたいするスイスの姿勢が「民間防衛」の第1章「平和」のなかの「国家がうまく機能するために」に書かれています。

 以下に、省略をいれて要約紹介します。
 
 スイスの過去には過失もあった。過失を認めるは将来をはっきり見通すために必要である。過失の一つに、われわれの祖先による近隣諸国への侵略と征服、それがもたらした破滅の危機がある。
 その破滅の危機を充分に理解して、侵略戦争を放棄した。
 この賢明さによって平和がもたらされた。平和を守り続けることによって、世代から世代にわたって国民の期待にこたえる国を、石を一つづつ積んでいくように建設することができたのである。
 完全な国をつくるためには、常に手を加えなければならない。

 わが民主主義の真価は、絶えず必要な改革を促すことである。どのような制度も、生きものと同じように、それ自体の生命力によって変化することからのがれるわけにはいかない。
 (中略)

 国民や、国民を代表する議員が、常に注意深く制度を見守ることは、どうしても必要である。
 この注意深く見守ることによって、制度の改革が求められてくる。それは改革であって、めくら滅法の破壊ではない。革命は、しばしば、益よりも害となる。
 (中略)

 権力が、ある個人に集中し、抑圧された人々が、その独裁者を追放するために立ち上がるほかなくなったときに、革命が必要となる。

  民主主義は、何も生み出さないでじっとしていることと、破壊的に
  転覆することとの間に通じる、狭い、山の背のような道を、用心深
  くたどらねばならない。

 各人の義務は、この法則に従って生き生きと生きることである。
 公の問題に無関心であることは、この義務に忠実でないことを意味する。
 (中略)

 法は、われわれすべてを拘束するが、われわれを守るものでもある。
 われわれも法の制定に参加せねばならない。もし、制度の改善のために何もせず、共同体の管理に参加しないならば、自分たちの制度について不平を言う資格はない。

 以上引用終わり

 スイス憲法第193条(全面改正)には、国民による憲法改正が決められてます。
 1 連邦憲法の全面改正は、人民または連邦議会のいずれか一つが提案し、もしくは、連邦議会が決定することができる。
 (注 スイスの連邦議会は国民院とカントン院の二院制です)
 2 国民によるイニシアティブが出され、または、両院が一致しなかった場合には、国民が、全面改正を成就させるかどうかを決定する。

 日本の場合、制度の改善のために参加することはできるだろうか?
 残業や休日出勤を(自発的に)強要される人々、学校だけでは許してもらえず夜間、休日に塾に通わされたり、クラブやサークルに駆り立てられる子ども達。
 いまの日本では、「国家がうまく機能する」ためには「怠ける権利」の確立が急がれる所以です。
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by shiryouko | 2006-01-04 19:22 | 安全保障

資料 世界の現行憲法と平和主義条項
研究者 西修氏の論文です。

あくまで、ご参考まで。日本が世界に誇る「9条」というフレーズを相対化するには参考になります。[白崎]


こちらから読めます。
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by shiryouko | 2006-01-02 23:46 | 安全保障

なぜ日米安保が必要なのか(関 曠野)
 東西冷戦はとっくに終ったのになぜ未だに日米安保が必要なのか、私には理解できません。また安保が必要な理由を客観的な資料に基づいて明快に論理的に論じた議論も見たことがありません。

 横須賀市では原子力空母の寄港に市をあげて反対で、35万人の市民が反対の署名をしました。しかし地元の民主党や社民党の議員はアメリカで政府や議会の関係者に会って「原子力空母だから反対。通常型なら歓迎」と言っている。なぜ通常型なら外国の空母を歓迎するのか。訳が分かりません。

 在日米軍は極東の安定、安全に寄与しているというセリフを耳にします。その場合は、北朝鮮と中国が危険な国とされているのでしょう。そこで両国の危険さ、およびこれもよくきくシーレーン防衛なるものについて考えてみます。

北朝鮮:
1)たとえ北が核ミサイルを数発所有していたとしても福井県程度の国力で戦闘機や戦車の燃料もロクにない北に日韓両国を軍事的に敗北させる能力はあるでしょうか。また攻撃にどんな利益があるのでしょうか。
2)もし北が侵略的な国だとしたら朝鮮戦争の再発で国土がまっ先に戦場になる筈の韓国がむしろ北との和解を進めているのはなぜでしょうか。
3)在日米軍がいるから北から守られているのでしょうか。かりに北の脅威を仮定しても韓国軍は戦力で北を圧倒しており、時々起きる衝突でも北はいつも負けています。

中国:
1)戦後の中国を軍事の面から振り返ってみます。まず朝鮮戦争への中国軍の介入は、前年に成立したばかりの自国の政権を防衛するためのものだったことは明らかです。
2)その後、インドやロシアと国境をめぐる軍事衝突がありました。これは喧嘩両成敗みたいなもので、現在は両国と和解しています。
3)1979年の二月のベトナムを一方的に攻撃しました。その直前の一月に米中和解が成立しています。旧ソ連は同盟国が自主的な動きを見せると制限主権論でハンガリーやチェコに軍事介入してきました。トウ小平は米中和解でソ連軍が侵攻してくる恐れがあるとみて、ソ連の意志を試すリトマステストとして親ソ的なベトナムを攻撃した訳です。とんでもないことではある。しかし中越戦争は侵略戦争とは言えません。
4)現在の中国は信望のあるソフトパワーとしての影響力の拡大を図っており、東南アジア諸国と領有権で揉めている南沙諸島でも低姿勢です。
5)増大するエネルギー需要が中国に軍事大国路線をとらせるという見方がある。しかし大戦前のブロック経済の時代では日独は軍事力による原油確保に走ったけれども、今のグローバル化の時代には市場でいくらでも原油を買える。しかも中国は外貨準備ではトップクラスの国です。
6)中国は膨張主義どころか、国家の統一が危うい国です。独立したら戦争を辞さないと台湾を脅すのは、もし台湾が正式に独立したら、中国各地で分離独立運動が一斉に発生しかねないからです。本土に投資してくれる台湾は金の卵で、攻撃の脅しは本音とは思えません。

シーレーン:
1)まず中立国になってしまえば戦時中でも公海でその船舶が攻撃される恐れはなくなるので、シーレーンなど考える必要はなくなる。まあ臨検などはあるでしょが。
2)大戦後にはイラン=イラク戦争の余波でホルムズ海峡の航行が危険になるといったことはありましたが、どこかの好戦的な国が国際的シーレーンを脅かしたといった例はありません。
3)もし台湾海峡が有事になり日本がアメリカと共に軍事介入したら、日本の船舶が中国の潜水艦の標的になることもありうる。でもこれはアメリカの手下になった日本の自業自得です。
4)シーレーンの脅威として実際にありうるのは、マラッカ海峡などでのイスラム過激派のモーターボートによる特攻攻撃です。これはゲリラなので海軍力では解決できません。
5)むしろ本当の脅威は、日本が安い外国の船と船員に頼って自国の商船隊がゼロに近いいびつな海洋国であることです。もしイスラム過激派が日本向けの船舶を無差別攻撃すると宣言したら、日本に物資を運んでくれる外国船は見つからず、この国は原油も食糧もなくなって国家的崩壊状態に陥るでしょう。
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by shiryouko | 2005-12-11 07:39 | 安全保障

大韓民国憲法 第73条【外交、宣戦、講和権】
第73条 
 大統領は、条約を締結し、批准し、外交使節を信任し、接受し、又は派遣し、宣戦布告及び講和を行う。
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by shiryouko | 2005-11-21 21:41 | 安全保障

大韓民国憲法 第39条【国防の義務、兵役義務】
第39条
1 すベて国民は、法律が定めるところにより、国防の義務を負う。
2 何人も、兵役義務の履行により、不利益な処遇を受けない
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by shiryouko | 2005-11-21 21:32 | 安全保障

軍事力をめぐる時代塾の議論
[関]
1)軍というものをどう考えるか
2)日本国にとって国防とは何か
3)自衛隊をどうするか
 ーについて討論を始めることを要請したいと思います。
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[鏡]
 日本の明治期からの動きで有名な言葉は「利益線」と「生命線」であり、この線は「解釈改憲」どうよう動いてしまいます。・・・
 そこで「自衛」とか「防衛」という場合に、なにを「自衛、防衛」するのか、どのように防衛するのか、を個別の法ではなく、憲法議論に際し行うべきか?は議論しておいてもいいと、思います。
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[松本]
軍隊(ないしそれに類する組織)の機能として、
1、戦争を行なう(侵略と防衛の線引きは果たしてできるのか?は措くとして)
 あ、侵略戦争
 い、自衛戦争
2、国土を防衛する(1と同一視しないこと。防衛=戦争とは限らない)
 あ、戦争
 い、テロなどの組織的犯罪
3、住民の権利を守る(これも1と混同してはならない)
 あ、交戦状態の時
 い、自然災害などの時
 う、その他のパニック時(食糧難とか石油ショックとかドル暴落とか)
4、国際法秩序を守る
 あ、国連の平和維持活動や国際協力活動
 い、在外邦人の保護

 などがあるが、ここで問題外なのは1-あ、4-い(侵略戦争の口実に使われることが多い)。残った機能に関して、どのような組織によるどのような活動が有効なのか。

 軍隊の目的が国土防衛と住民の人権擁護だけだとすれば、それは消防庁の管轄で良いのではないか。
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[白崎]
 私も、国内の自衛ということを考えたときには、上記のイメージです。私の住んでいる地域も、ムラの消防団があって地域の人が自治会として参加しています。火災や水害などがあると専門集団の消防と共に活動します。つい最近までの自治会消防団長は、地元の酒造会社の社長がやっていました。スイスの民間防衛の考えもその延長でしょう。
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[関]
1)第二次世界大戦をもって総動員の工業的な国民戦争の時代は終りました。冷戦期の戦争は内戦ないし内戦への同盟国の介入として発生したものです。その冷戦も終り、今の世界で起きているのは軍事ではなく政治によってしか解決しない「紛争」です。世界最強の米軍がイラクで窮地に陥っているのも、そのためです。
2)同盟の時代はもう過去のもの。その中で日本の安全を脅かしているのはアメリカとの同盟です。このままでは米中の衝突に巻き込まれる恐れがある。
3)自衛隊は始めから米軍の補助部隊として作られたので国防には関係がない。これが議論の要になることでしょう。
4)そこで国防といえば鏡さんが言うように「何を守るのか」が議論の根本でなければおかしい。今の日本にマキアベリが守ろうとしたイタリアの都市の文化みたいなものはあるんでしょうか?
5)それはさておいても、日本の国防には戦力は殆ど必要がない筈。中立国になればシーレーンの防衛など気にする必要はなくなる。大戦中でも中立国の船舶が攻撃された例はありません。また日本の地理的位置にはスイスやポーランドのような戦略的価値がない。ただユーラシアをコントロールしたいアメリカにだけ日本列島と沖縄は価値があるのです。
6)だから純粋な国防としては、海上保安庁を沿岸警備隊に、消防庁を国土警備隊に格上げすれば充分でしょう。
7)それでも軍が必要だとすれば、それはあくまで国際協力のためでしょう。
8)そこで急に第九条を評価したら妙に思われるかも知れませんが、自衛隊が憲法の制約で「戦力なき軍隊」を建て前としてきたことは再評価していいかも知れない。戦争がなくなった世界における軍の在り方を先取りし軍の新しいモデルになるという見方もできる。
9)つまり人間的安全保障を原則とする破壊ではなく建設のための軍隊、人道援助と災害出動を基本的使命とする国際協力機構ということです。パキスタンの震災を見てもやはりヘリなど機動と補給の高い能力をもった組織は必要なようです。また治安という点では軽火器ぐらいは持っていていい。そういう軍隊には、戦闘より語学や地域文化の知識、医療活動やNGOと連携できる能力などが要求されると思います。こうした軍のイメージの転換ということをフォーラムの論題にしてもいいのではないでしょうか。
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[関]
 軍と国防の問題では改憲フォーラムは、1)「何を守るのか」、2)「現代の軍事に
ついて適切な認識を持とう」という二点を議論の柱にしたらいいと思います。

 今の世界で起きているのは軍事ではなく政治によってしか解決しない「紛争」です。
 
先に上記のように書きましたが、ロイター電が英国の軍事問題の第一人者であるルパー
ト.スミス将軍の「実力の効用」という著書を紹介しています。スミス将軍は現在は
引退していますが、湾岸戦争では英軍の機甲部隊を指揮、ユーゴ内戦でも国連軍の総
指揮をした英国きっての軍人です。この本で彼は、国家間の総動員の工業的戦争はヒ
ロシマへの原爆投下で終り、今は冷戦も終って「もう戦争というものはなくなった」
と述べているそうです。そして現代の局地紛争や国家の破綻、テロは従来の軍事力で
は解決しえないことがイラク戦争ではっきりしたと断言している。
 英国の有名な戦略研究所もその年次レポートでこの見解を支持している。そしてス
ミスによれば、アメリカやNATOよりEUの方が国家建設、治安の維持、インフラの再建
などの経験が豊かなので紛争をうまく解決する潜在的能力がある。知的な軍人は皆そ
う考えているんでしょう。今頃になって自衛軍を作ろうなどと言っているどこかのト
ボケタ国は半世紀以上前にタイムスリップしているようですね。
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[新井]
 軍隊というものの本質を変えていく際にポイントとなるのは、自治との関わりを考えることにあるのではないでしょうか。自治の政治の在り方と軍隊を連動させることによって、かなりその毒を除去できるのではないかと考えます。たとえば外征のための軍隊は(国際協力などのケースもありますが)、私見では不要です。日本が連邦制になったとき、統合的な武力を廃止し、警察が建前上そうであるように、自治体(この場合は州)の指揮下に置かれるべきではないでしょうか。
 憲法として考えるなら、「国権の発動とその象徴たる武力と武装組織は永久に放棄する。ただし住民にその存在意義と基盤を置く自衛組織は、各自治体の判断により常設することができる」というようなものが良いと思います。
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[松本]
 考えるべきことは、軍隊は巨大なテクノクラートと既得権益の集団である、ということ。イタリア憲法ではないが、民主的な軍隊、あるいは官僚風味を極力抑えた軍隊とはどんな組織になるのか(一例はスイスの民兵組織や地域の消防団の延長線上にあるような自衛組織)、どこに所属してどうやって維持されるのか、といったことは考えるべきであろう。
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by shiryouko | 2005-11-14 09:33 | 安全保障

安全保障:ポーランド共和国憲法
第26条
1 ポーランド共和国軍は、国家の独立、領土の不可分、国境の安全と不可侵を防衛する。
2 軍は、政治問題において中立を保ち、文民による民主的な統制に服する。

第85条
1 祖国の防衛は、ポーランド市民の義務である。
2 兵役の義務の原則は、法律で定める。
3 宗教的確信もしくは信ずる道徳上の原則が兵役の履行を許さない市民には、法律に規定される原則に基づき、代替役務を義務づけることができる。

第116条
1 下院は、ポーランド共和国の名において戦争状態と平和の締結について決定する。
2 下院は、ポーランド共和国への武力攻撃の場合、または条約により侵略に対する共同防衛の義務が生ずる場合にのみ、戦争状態を決議することができる。下院が本会議により召集できない場合は、大統領が、戦争状態を決定する。

第117条
 ポーランド共和国外での軍の使用の原則は、批准された条約および法律により定める。ポーランド共和国領土における外国軍駐留の原則、および外国軍がその領土を通過するさいの原則は、批准された条約および法律により定める。

第134条
1 大統領は、ポーランド共和国軍の最高司令官である。
2 平和時において大統領は、国防大臣を介し軍を統制する。
3 大統領は、参謀総長および各軍の司令官を、期間を定めて任命する。任期および任期満了前に解任する手続きおよびその要件は、法律により定める。
4 戦時においては大統領は、首相の要請に基づき軍の最高司令官を任命する。大統領は、同じ手続により最高司令官を解任できる。最高司令官の権限、およびポーランド共和国の憲法上の機関への服従する原則は、法律により定める。
5 大統領は、国防大臣の要請に基づき、法律で規定される軍の階級を授ける。
6 平和時の軍の統制に係わる大統領の権限については、法律により定める。

第135条
 国家の内外の安全に係わる大統領の助言機関は、国家安全保障会議である。

第136条
 国家への直接的な対外的脅威に対して、大統領は首相の要請に基づき、ポーランド共和国の防衛のために、(国民の)総動員もしくは部分的動員、および軍の行使を命令することができる。
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by shiryouko | 2005-08-29 09:23 | 安全保障

スペイン王国憲法
第8条【軍隊】
1 軍隊は、陸、海、空によって構成され、スペインの主権および独立を保障し、領土を保全し、憲法秩序を擁護することを使命とする。
2 軍事組織の基本原則については、憲法の諸原則に従い、組織法でこれを定める。

第104条【国防軍および保安隊の任務】
1 国防軍および保安隊は、内閣の指揮に従い、権利および義務の自由な行使を保護し、ならびに市民の安全を保障することを任務とする。
2 組織法は、国防軍および保安隊の職務、活動の基本原則および規則を定める。
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by shiryouko | 2005-08-29 08:15 | 安全保障

フィリピン共和国憲法第二節
第二節 (戦争放棄)

フィリピン国は、国策の手段としての戦争を放棄し、一般的に確立された国際法規を国法と認め、平和・対等・公正・自由・協調および諸国民との友好を政治原理とする。
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by shiryouko | 2005-07-03 12:32 | 安全保障

スペイン憲法第30条
第30条【国防の権利・義務、良心的兵役拒否】
1 市民は、スペインを防衛する権利及び義務を有する。
2 法律は、スペイン人の兵役義務を定め、しかるべき保障とともに、良心的兵役拒否、およびその他義務兵役免除の事由を定める。この場合には、兵役に代わる社会的役務を課すことができる。
3 全体の利益目的を達成するための非軍事的役務は、これを定めることができる。
4 重大な危険、大災害、または公的災厄の場合における市民の義務は、法律でこれを定めることができる。
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by shiryouko | 2005-07-02 20:32 | 安全保障