カテゴリ:憲法制定過程( 6 )

ニューズウイーク 1946年10月21日付の憲法制定に関する記事
Newsweek - Yes, but A°c - Oct.21/1946

十月七日、日本の国会はあっけなく、またおとなしく新らしい憲法を採択した。 この日、山崎猛衆院議長は前置きなしに賛同する議員の起立を求めた。  突然のことに面食らった議員は、あちこちで確信のないまま立ち上がり最終的には342人が起立した。そして全員が議場の左に目をやった。 そこには共産党議員四人と無所属議員一人が無表情に前を見たまま座り続けていた。  議長は新憲法法案の可決を宣言した。 フラッシュがたかれ拍手が起こり、そして議長は休会を宣言した。  連合国総司令部が起草した新憲法の採択は、六月二十日に国会に提出されて以来、既定の事実だった。貴族院議員、衆議院議員ともに、疑問を抱いたま賛成投票した。  本誌東京支局長のコンプトン・パケナムは次のように打電してきた。 「議員には何か画期的な事態が起きたことはわかっていたが、それが何かを明確に表現することはできなかった。私が話しかけた一般市民は無関心だった。半数以上が新憲法の成立を知らなかった。 残りの半数は事態に変わりはないと考えている。日本国民でこの憲法を自分たちのために役立てられると期待する人はごく少数だった」

http://www.rose.sannet.ne.jp/nishiha/senso/

*私が上記で引用したニューズウイークの記事もこの、「戦争を語り継ごうーリンク集」というサイトの中にあります。「戦争」など七項目のうち「銃後」をクリックして下さい。そしてずらりと出てきたリンクの中に「手記」というのがあります。戦時中はラジオ少年でその後京大工科に行き、731部隊の秘密なども知っていた人の開戦前夜から高度成長期までの回想記です。そのうち「敗戦から復興までの長い日々」および「復興から講和までの長い日々」の部分には、占領下の日本の状況を伝える当時のニューズウイークの記事の翻訳が添えられています。
 戦後日本のアイデンティティーがこの時期に形成されたことが鮮明に解る興味深い
サイトなので、一読をお薦めします。[関曠野氏の時代塾ML投稿を一部修正の上、転載]*

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by shiryouko | 2005-09-21 21:16 | 憲法制定過程

ポツダム宣言
昭和20(1945)年7月26日 ポツダム(Potsdam,Germany)で署名
昭和20(1945)年8月14日 日本受諾

現代語訳

 われら合衆国大統領、中華民国政府主席及びグレート・ブリテン国総理大臣は、われらの数億の国民を代表して協議の上、日本国に対して、今次の戦争を終結する機会を与えることで意見が一致した。

 合衆国、英帝国及び中華民国の巨大な陸、海、空軍は、西方より自国の陸軍及び空軍による数倍の増強を受け、日本国に対し最後的打撃を加える態勢を整えた。この軍事力は、日本国が抵抗を終止するまで、日本国に対し戦争を遂行しているすべての連合国の決意により支持され、かつ鼓舞されているものである。

 世界の奮起している自由な人民の力に対する、ドイツ国の無益かつ無意義な抵抗の結果は、日本国国民に対する先例を極めて明白に示すものである。現在、日本国に対し集結しつつある力は、抵抗するナチスに対して適用された場合において、全ドイツ国人民の土地、産業及び生活様式を必然的に荒廃に帰させる力に比べて、測り知れない程度に強大なものである。われらの決意に支持されたわれらの軍事力の最高度の使用は、日本国軍隊の不可避かつ完全な壊滅を意味し、また同様に、必然的に日本国本土の完全な破滅を意味する。

 無分別な打算により日本帝国を滅亡の淵に陥れた、わがままな軍国主義的助言者により、日本国が引き続き統御されるか、又は理性の経路を日本国がふむべきかを、日本国が決定する時期は、到来した。

 われらの条件は、以下のとおりである。
われらは、右の条件より離脱することはない。右に代わる条件は存在しない。われらは、遅延を認めない。

 われらは、無責任な軍国主義が世界より駆逐されるまでは、平和、安全及に正義の新秩序が生じえないことを主張することによって、日本国国民を欺瞞し、これによって世界征服をしようとした過誤を犯した者の権力及び勢力は、永久に除去されなければならない。

 このような新秩序が建設され、かつ日本国の戦争遂行能力が破砕されたという確証があるまでは、連合国の指定する日本国領域内の諸地点は、われらがここに指示する基本的目的の達成を確保するため、占領される。

 カイロ宣言の条項は履行され、また、日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国並びにわれらが決定する諸小島に局限される。

 日本国軍隊は、完全に武装を解除された後、各自の家庭に復帰し、平和的かつ生産的な生活を営む機会を与えられる。

 われらは、日本人を民族として奴隷化しようとし又は国民として滅亡させようとする意図を有するものではないが、われらの俘虜を虐待した者を含む一切の戦争犯罪人に対しては厳重な処罰を加える。日本国政府は、日本国国民の間における民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障害を除去しなければならない。言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は、確立されなければならない。
十一
 日本国は、その経済を支持し、かつ公正な実物賠償の取立を可能にするような産業を維持することを許される。ただし、日本国が戦争のために再軍備をすることができるような産業は、この限りではない。この目的のため、原料の入手(その支配とはこれを区別する。)は許可される。日本国は、将来、世界貿易関係への参加を許される。
十二
 前記の諸目的が達成され、かつ日本国国民が自由に表明する意思に従って平和的傾向を有し、かつ責任ある政府が樹立されたときには、連合国の占領軍は、直ちに日本国より撤収する。
十三
 われらは、日本国政府が直ちに全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し、かつこの行動における同政府の誠意について適当かつ充分な保障を提供することを同政府に対し要求する。これ以外の日本国の選択には、迅速かつ完全な壊滅があるだけである。

十項を見てもおわかりのように、国連憲章を意識しつつ、後の憲法制定過程にも影響を与える文言が含まれている。[白崎・記]
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by shiryouko | 2005-08-25 16:01 | 憲法制定過程

マッカーサー草案
GHQによる日本国憲法草案の日本語訳。英語原文にもリンクしています。
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/makasasouannhonnyaku.htm
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by shiryouko | 2005-07-13 01:05 | 憲法制定過程

スイス憲法の制定過程
「スイス歴史が生んだ異色の憲法」(美根慶樹ミネルヴァ書房2003年)の前書きに、スイス憲法作成過程のユニークさが紹介されてます。
以下引用です。
 スイス憲法の作成過程もユニークであり言わば手作りで作り上げてきた性格が強い。こう言うと、読者は、さてそれはどういうことかと怪訝に思われるかもしれない。手作り憲法との比較で言えば、わが国を含めて他国の場合は専門家が高度な法律知識を駆使して作った憲法である。スイスの憲法は手作りのため、これが一国の憲法かと思わせるような表現が少なくない。要するに法律らしくない表現である。専門家が作った憲法ではまずそういうことはありえない。

 このことはスイス人自身が認めることである。私は実際何人かのスイス人と話し合ったことがあるので自分の経験として言えるのだが、彼らは、スイス憲法が手作りのため法律らしくない表現を諸処に含んでいるのはそれだけ「民主的な作成過程」を重視してきた結果であり、これもやむをえなかったのだとみなしている。
 引用終わり

なお本書は資料庫文献リストに紹介されてます。
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by shiryouko | 2005-06-28 17:01 | 憲法制定過程

日本国憲法制定の由来/憲法調査会小委員会報告書
憲法調査会小委員会報告書篇/憲法制定の経過に関する小委員会、時事通信社、昭36年初版。

すでに絶版だが、ネット古書店や図書館にはけっこうある。
古い資料だが、資料的価値アリ。当時の憲法調査会の議員メンバーをみると「なるほど」と思う。いま、その人間達がどういう発言をしているか、チェックしてみるのもよい。
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by shiryouko | 2005-06-01 21:34 | 憲法制定過程

新憲法の誕生
古関彰一 著 中公文庫(中央公論新社)ISBN 4-12-202289-4
定価 1000円+税 1995年4月18日初版

現行憲法制定過程をわかりやすくえがきだす定番の作品。ただ、著者の改憲や護憲に対するスタンスがいまひとつ明確ではないところが、「研究者らしく」歯がゆい。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4122022894/qid=1117023568/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-9663356-2785811

上記はアマゾンでのもの。
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by shiryouko | 2005-06-01 21:26 | 憲法制定過程