共和主義と民主制、また連邦制について(関曠野)
 共和主義と民主主義は区別しておく必要があります。日本では君主がいなければ共和制と皮相に理解されていることが多い。しかし共和主義はそれだけのものではない。

 現代の民主主義は議会制民主主義です。しかし議会と選挙だけを基準にするなら、ヒトラーも選挙で選ばれたのだし、企業献金による金権選挙でも民主的だということになる。

 これに対し共和主義は、公の論理です。公然、公開、公平という公が実現していること、公=人民の公論ということが社会に広く理解されていること、そうした公に基づいて法が立法され適用されていること。この公と法が共和制の論理なので、これは議会制民主主義とイコールではありません。

 してみると戦後日本には共和なき民主主義があったと言える。それは象徴天皇制が公を横領してしまったからです。
 今アメリカでブッシュ批判が高まっていますが、これはブッシュによる欺瞞、秘密主義が問題にされているので、公の論理による共和主義的な批判と言えるでしょう。

 また連邦主義は共和主義から出てきたもので、個人の自由の尊重に由来するものです。

 まずヨーロッパではオランダとスイスという連邦制の自由な小共和国があった。その実例を踏まえてモンテスキューやルソーが連邦主義を説きました。
 大国は国をまとめるのが大変なので権力が専制的になりやすい。そして国民も政治的に卑屈になったり無関心になったりする。小国なら治めるのが簡単なので共和制にして市民に自由を認めても国が乱れる心配はない。そこから小国だけが自由で民主的な共和国でありうるということになる。
 では大国をできるだけ自由で民主的な国にするにはどうすればいいか。それには、大国を分割して小国の連合として再組織すればいい。

 このように連邦主義は個人の自由を実現するための国家の適切なサイズという問題から出てきたので、共和主義の副産物です。

*時代塾MLへの関さんの複数の投稿を、ご了承をいただいて編集したものです。[松本]*
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by shiryouko | 2005-12-09 07:31 | 政治体制・天皇制



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